皆さん、こんにちは。
本ブログは行動経済学を実際のビジネスに適用していくことを主目的としています。
行動経済学の理論を中心に、行動心理学や認知心理学、社会心理学などの要素も交え、ビジネスの様々なシーンやプロセス、フレームワークに適用し、実践に役立てていきたいと思っています。
昔々は、飲み会は「仕事の延長」であり、上司や同僚との関係を築くための重要な場でした。断ることはほとんど考えられず、仮にプライベートの用事があっても、それを理由に欠席するのは難しい雰囲気がありました。当時は、飲み会を通じて仕事の裏話を聞いたり、普段は聞けないアドバイスをもらえたりする貴重な機会だと考えられていたのです。
しかし、時代は大きく変わりました。Z世代の若者たちは「飲みニケーション」に価値を見出せない、あるいは別の形で職場の人間関係を築こうとしているようです。
飲み会の場が、むしろ負担やストレスの原因になると感じる人も少なくありません。この変化を一方的に否定するのは簡単ですが、同時に、彼らが抱える感情や価値観にも耳を傾けるべきだと考えます。
そこで今回は、昭和世代の視点から、Z世代がなぜ飲み会を避けるのかを理解し、行動経済学や心理学の要素を交えながら、飲み会文化の変容をどのように捉えればよいのかを考えます。そして、世代間のギャップを埋めるための新しいコミュニケーションの形を模索していきます。昭和世代の「経験」だけではなく、Z世代の「感性」を取り入れることで、双方が歩み寄れる方法を一緒に考えていきたいと思います。
飲み会の意味:昭和世代の飲み会の位置づけ
昭和世代にとって、飲み会は職場の結束を深めるための重要な儀式でした。仕事中は言いにくいことも、酔いに任せて本音を言える場として機能していました。「飲みに行くのも仕事のうち」と言われた時代、飲み会を通じて得られる人間関係や信頼感は、私自身のキャリアにとって大きな糧だったと感じています。
しかし、この「仕事の延長」という考え方は、Z世代にはあまり受け入れられていません。彼らは、プライベートと仕事を明確に分けたいという意識が強く、「飲み会は自由参加であるべき」という価値観を持っています。こうした違いを理解することが、まずは昭和世代にとって重要な一歩だと思います。

Z世代の心理と飲み会離れの背景
Z世代が飲み会を避ける理由には、社会的背景と心理的要因があります。行動経済学のプロスペクト理論では、人は「損失を回避する」傾向が強いとされています。Z世代にとって、飲み会には「プライベートの侵害」や「無理に自己開示を強いられるリスク」といった潜在的な損失が存在します。そのため、彼らはより安全で損失の少ない選択肢を求めているのです。
一方、昭和世代にとって飲み会は「利益のある行動」として認識されており、参加しない選択肢を取られると「自分たちが否定された」と感じることがあります。この認識の差が、世代間の摩擦を生んでいるのです。
フレーミング効果を活用した新しい誘い方
「飲みに行かない?」という言葉には、アルコールが必須であるという印象が伴います。この言い方はZ世代にとって心理的ハードルを高めるため、「食事に行かない?」や「お祝いしない?」といった柔らかい誘い方に変えることが効果的です。
また、フレーミング効果を活用し、飲み会に具体的な目的を持たせることも重要です。「〇〇さんの歓迎会」「プロジェクト成功の打ち上げ」といった目的を共有することで、参加者が意義を感じやすくなります。
新しい形の交流方法
Z世代の価値観を尊重しつつ、職場の結束を深める新しい方法を考える必要があります。例えば、アルコールを前提としないノンアルコールバーでの交流や、休日に少人数でのランチ会を企画するのも一案です。こうした新しい交流方法は、Z世代にとって心理的ハードルを下げると同時に、昭和世代にも心地よい形でコミュニケーションを取る場を提供します。
まとめ
飲み会文化は、昭和世代にとっては職場の絆を深める重要な場でしたが、Z世代には必ずしも同じ価値を持ちません。時代や価値観の違いを否定するのではなく、相互に理解し合い、新しい形の交流を模索することが大切です。
- フレーミングを工夫する
飲み会の誘い方を見直し、「食事」や「お祝い」といった柔らかい言葉を使う。 - 参加しやすい環境を作る
ノンアルコール飲料やカジュアルな食事を用意し、誰でも気軽に参加できる場を提供する。 - 交流の目的を明確化する
ただの飲み会ではなく、具体的な目的を共有することで意義を持たせる。 - 新しい形のコミュニケーションを導入する
小規模のランチ会やオンラインでの交流など、Z世代が参加しやすい形式を採用する。
私たち昭和世代は、過去の成功体験にとらわれるのではなく、時代の変化に柔軟に対応する力を持っています。飲み会は「過去の遺物」として捨て去るのではなく、新しい価値を加えた形で再構築することで、世代間の壁を乗り越え、職場の結束をより深める可能性があるのです。本記事が、その一助となれば幸いです。
次回も、ビジネスに役立つ行動経済学の理論を紹介します。お楽しみに!